日本の子どもたちに英語を教えて学んだこと
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Mahoro Ishikawa
7/25/20251 分読む
「日本の子どもたちに英語を教えて学んだこと」
英語を学ぶのが本当に好きで、教える子どもたちにも英語を楽しんでほしいと思い、オンライン英語講師としてEigopopでアルバイトを始めました。
私の両親も私自身も日本で生まれ育ちました。でも高校生のときに、アメリカ・オハイオ州へ交換留学する機会がありました。教育制度の違いに驚いたのはもちろんですが、それ以上に気づいたことがあります。それは、「日本人より英語がうまく話せる」からといって、「英語圏の人と自然に繋がれる」とは限らないということ。言語は単なる文法や語彙ではなく、文化と深く結びついているのです。文化的な背景を知らなければ、どんなに正しく話しても、コミュニケーションはどこか表面的に感じられてしまいます。
この気づきから、「英語をどう教え、どう学ぶか」にもっと興味を持つようになりました。そして、英語を教える仕事を始めました。
最初は簡単だと思ってた
「子どもと話すのが好きだし、英語も好きだし、簡単でしょ」と軽く考えていました。まさに夢のような仕事だと思っていたんです。
でも数週間経つと、現実は違いました。全員が英語を学びたくて来ているわけではないんです。中には明らかに親に無理やり受けさせられている子もいました。私がワクワクしてレッスンを始めても、子どもは黙ったままだったり、日本語しか話さなかったり、英語にまったく反応してくれなかったり。
私もどうすればいいかわからず、だんだん楽しくなくなってしまいました。生徒も同じだったと思います。
教える喜びは、自分でつくるもの
そこで深く考えました。もしかしたら、日本の多くの人が英語を嫌いになるのは、こういう経験があるからかもしれない、と。なぜ学ぶのか、どうすれば楽しくなるのかを教えてもらえないまま、「勉強しろ」と言われる。英語は「教科」になってしまって、「道具」ではなくなる。遊びでもなく、探究の対象でもなく、人と繋がる手段でもなくなる。そんな状態で、どうして英語を好きになれるでしょうか?
だから私は、子どもたちに英語を好きになってもらう環境を、自分でつくろうと思いました。一人ひとりの興味や好きなものに注目しながら、教え方を工夫していきました。
ほとんどの生徒が日本語を話すので、私は英語と日本語を両方使うようにしました。例えば、生徒が日本語で学校の話をしてくれたら、まずは日本語でしっかり聞いてあげる。でも返事は「That’s awesome!」「Fun!」など、簡単な英語を混ぜて返す。無理に話させるのではなく、自然に英語を耳に入れていくようにしました。
そして、私自身がレッスンを楽しむようになったら、子どもたちも徐々に楽しんでくれるようになったんです。
心が溶けた瞬間
ある女の子は、最初は質問しても全く話してくれませんでした。でも私は無理に話させず、自分の話を少しずつして、やさしく小さな質問をするようにしました。そうしたら、少しずつ心を開いてくれて、ついには英語を話してくれるようになったんです。
オンラインで英語を教える仕事は、一見シンプルに見えるかもしれません。でも実際は、画面の向こうでたくさんの感情のやりとりが行われています。毎回ちがう対応が必要で、自分の感情もコントロールしなければなりません。
でもこの経験を通して、言語は「完璧さ」ではなく「繋がり」だということを、あらためて実感しました。
教えることで学んだこと
語彙の教え方や発音の直し方だけでなく、共感、文化、そして「楽しく学ぶことの大切さ」を、この仕事から学びました。
英語を学ぶ私自身の道のりも、最初は混乱だらけでした。でも、ワクワクする瞬間もたくさんありました。だからこそ、生徒にもそんな気持ちを味わってほしいと思います。
完璧を目指すよりも、人と本当に繋がることを目指した方が、言葉はもっと生き生きしてきます。英語は「教科」ではなく、楽しんだり使ったりできる「ツール」だと感じてもらえたなら、私はとても嬉しいです。
日本の子どもに英語を教えてみたい人へ
焦らないこと:話さなくても、少しずつ心は動いています。
遊び心を持つこと:歌、ゲーム、変な顔…文法よりも「楽しさ」が大事。
好奇心を持つこと:子どもたちから学ぶこともたくさんあります。
柔軟であること:1人1人に合わせて教え方を変えていいんです。
そして何より、やさしさを持つこと:安心できる雰囲気が、子どもの言葉を引き出します。
そして何よりも、親切にしてください。
優しく励みになる声は、子供が勇気を持って声を上げるのに大いに役立ちます。